すいすい小噺#141
思い出に
冬からだんだんと春が近づいてきていることを感じる季節
日暮れの時間がのび
時折 あたたかい気温が上着を脱がせてくれる
月一回のサントレすいすい
最近オジサンはお仕事に集中しているからか
動きがなかなか手際良くw
珍しく(ダメでしょ)16時開店時間にほぼ間に合った!(45秒遅刻)
サントレには常連さんのおともだちが待ち構えててくれて
早速、駄菓子の品定めが始まる
ハズレ無しゴールドチョコ
50円から60円に値上がりしたのにドンドン売れる
当たり前だけど売れることは収益につながり
業績はプラスとなる
そして
すいすいは「じゃんけん大会」により売り上げは下がり
収益はマイナスになることが多いような戦歴は89勝103敗w
でもさ
ふとじゃんけん大会を一切やらないすいすいのことを思い浮かべるのね
心の底から雄叫びを上げるあの子の表情
全力モーションで両手を突き上げて喜んじゃうママの姿
負けて泣きそうになりながらも
一緒にきてくれたパパが勝ち跳ねて盛り上がるご家族
久しぶりに来てくれた思春期中学生のクールな喜び
そんな場面ってなかなか見られないもんだと思うわけで
たくさんのお札が並んだ財布から小銭を出してくれる子
人がいなくなった瞬間に一円玉でいくつかの駄菓子を買ってくれる子
みんなあの手この手で駄菓子を求めてくれる
駄菓子屋から見えてくる社会は実に面白い
当たり研究会とでも言うべきか
10円のスクラッチ系の当たりを見破る研究も続けられている
(例画像:ヤッター!めん当たりをすいすい電球に照らし見破る実験)
そんな中
すいすいで頑なにオジサンのことを「せんせい」と呼んでやめない
高学年ボーイがおもむろに一眼レフカメラを持ってきて現れた
聞くとママからもらったとな(すげーな)
常連の高学年ガールズも来てわちゃわちゃ談笑が始まる
5年近くたって初めていきなり
「オジサンってホントはどんな仕事してるの・・・??」
って聞いてきてくれた高学年ガールズ
『よくぞ聞いてくれました!実はイッキュウケンチクシなんだよ!』
「・・・へぇ〜・・・」
『・・・ジュウタクトカ セッケイシテイマス・・・』
「・・・ふーん・・・」
あんまり興味は無さそうで話題は瞬時に歌謡曲に移った
イマイチな表情をしている時
近くにいた高学年ボーイは何枚もその光景を撮っている
きっと残念無念なオジサンが何枚も写っていることであろう
どうして今日はそんなカメラ持ってきたの?と聞くと
思い出に残したい と答えた
ガールズが言う
「じゃあ〜、みんなで撮れば良いじゃーん!!」
そう言って3人でわちゃわちゃ話してたけど
みんなでの撮影には至らなかった
春にはオジサンの末娘が6年生になる
すいすい最後の1年が始まる
オジサンはこの子が1年生の時に
地域に唯一あった駄菓子屋さんが閉店して
それをきっかけにこの駄菓子屋を始めた
週1回の1、2時間
小さな小さな動きだけど
集まってくれる一人ひとりのおかげで
たくさんの笑顔が見れた
もうそれだけで満足だし
きっと高学年ボーイはいつか
オジサンみたいなことをするんだろうな と想像もできる
あと1年
閉店するまでに
どこかのタイミングで
みんなで写真を撮るという小さな夢ができた
強制でなくて良いし
オジサンからは何もすることは無いし
集まってくれた子が自主的に
自然なカタチで
そんなことが起こったらそれだけで奇跡だと思う
そしてそれ以上に
オジサンはみんなの心のどこかに
すいすいが残ってくれればそれでいい
思い出って
それぐらいがステキなんだろうなと思う
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