すいすい小噺#140

 

やきいも


冬に入ると抜群の存在感を示し駄菓子屋なのに

もはやこども食堂のような要素を秘めている強烈な存在 「やきいも」



いつも三芳町にある「髙橋農園」さんから直接仕入れさせて頂いてます
(まゆちゃん、いつもありがと〜!!)

https://kawagoeimo.thebase.in





すいすいやりながら面白い所に気がついたんだけど・・・

他の駄菓子とかは時々なんですが
やきいも買ってくれた子たちのかなりの比率の子が
「どうやって食べるか?」「誰が食べるか?」等々を教えてくれる

しかも買った後 去りながら さり気なく(笑)


「公園で食べよっと!」


「弟へのおみやげなんだ!」


「家族で食べるんだ・・・」


「一緒に食べるんだよ、、ネ〜!!」(友達と見つめ合い笑顔で)


と、こんな感じ


「やきいも」がコミュニケーション・ツールになってんのよ

そして寒い日だったので、何より「カイロ」がわりにもなってるw


そんな中

近くの高齢者グループホームから来たという
おばあちゃんとヘルパーさんも買いに来てくれた

こどもたちの声と
早い日暮れになったため
ゆるい灯りを放ち続ける何かに惹かれて見に来てくださったとのこと

しばしお話をして 
説明しつつ恒例のじゃんけん大会
ここでは能力を発揮し 
オジサン容赦無く2連勝

紅はるかのやきいも 
50円/本(小さいのは30円/本)の説明したら

「でも、、、夕食前だからたくさんは食べられないもんね・・・」

と躊躇なさったので 
まぁー食べてみましょうよ、と小さいのをシェアして一緒に頂くと
満面の笑顔に

そうでしょ、そうなのよ、美味いのよ 本当に(^^)b

その後
結構寒い日なのに学校でもずっとTシャツ姿の高学年の男子も来て
ずっとサッカースクラッチで勝負を続けている


「寒そうだね・・・いつもTシャツなの・・・??」

「・・・はい、学校でも・・・笑」

「すげぇな、時折そういうお友達もいるけど・・・」

「慣れですかね」

「・・・でも、寒そうだから やきいも 食べない・・・?」

「・・・いや 今日はコレ(サッカースクラッチ)で勝負する」


奇跡がまた起きた日
みんなサッカースクラッチした子たちの言葉からも
日本代表への賛辞が続いていた


Tシャツの子がサカスクを買って
スクラッチをしてるんだけど
寒さからか少し震えているようにも見えたから声をかける
すいすいの周りにはオジサンとその子しかいなくなった

「一緒に試食しない?」

小さなやきいもを一つ差し出すと
いいんですか? とすんなり受け取る


「・・・ あっったかーい・・・!」

「だろ〜!? 美味いから食ってみー!」


オジサーン!と叫びながら
公園から別の男の子が走ってきた

何かあったのか?と思い聞いてみると

すいすいの上の空を指さして言う


「ほらっ! 月が見えるよ!」


日暮れが早くなったけど まだ明るい空に白い月が見えた


「ほんとだね、よく見つけたね!」

「うん、キレイだねー!」


それだけ言ってその子はまた公園に走って行った

オジサンには
わざわざそれだけを言いに来てくれた
その男の子の心もキレイに見えるんだよね


ずっとハズレが続いたTシャツの子が少し離れた所から
やきいもをほおばりながら叫ぶ


「オジサン!!! スペインに勝ったよ!!!」


そうなんだよ

みんなそれで歓喜した日が 2022年12月2日 という日だ

みんなで覚えておこう


やきいも食べながら







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