すいすい小噺 ♯105

偶発性を増やす


いつもの男塚公園前

時間前に行ったつもりでも

既に何人かのおともだちが並んでいた

わずか1時間にかける情熱


到着するとまず店を広げる

ベンチを置き

アウトドアチェアを置き

ニトリの台を置き

ゴミ袋を設置し

アルコール消毒を列先頭の子に渡し

看板を立て

音楽を入れ

照明に灯をつける・・・


この辺りで「開店です!」の言葉を言う前に

我慢の沸点を超えたお客様が

商品を手にする行動が始まるw


「開店です」って言ってないのに

でも

その直前まではみんな頑張って耐えててくれて

最近はこの自然な流れがいつもの風景

みんな楽しみしてくれているのがよくわかる


ウワサの必ず最低10円当たるゴールドチョコが輝く

これ何?って質問してくる子は少ない

既に知っている子によって情報は回っていて

勝負する子は2つ3つと買っている

1つ50円するのでまた新たな領域に入った


今日のみんなのジャンケンにはいつも以上に力が入っていた

きっとみんなの頭の中には

ジャンケンで勝った時のあるパターンが浮かんでいるんだろう

負けた時のパターンは浮かんでいないと思う

宝くじがはずれた時のことを考える人がいないように


ふと

ママと一緒に来てくれている

低学年の男の子のお勘定の番になった

少し緊張しているのか口数は少ない子

お勘定を終えてジャンケンする

過去最高の当たり回になるのは目に見えているので

オジサンもそれなりにジャンケン能力を高める


男の子 vs  オジサン   オジサンの勝ち

ママ vs オジサン  オジサンの勝ち


親子で負けてしまった

申し訳ない気がするけど 

ジャンケンとはそう言うものだ

買った駄菓子を持って

悔しそうに列から離れていった


しばらくお勘定が続く


お勘定の時に

それぞれの子が色んな声をかけてくれる

次回のすいすいのこと

今何時?

学校でのこと

駄菓子のこと

おうちのこと・・・


ふと

先程の男の子とママが列の脇に立っていた

二人のお兄ちゃんらしき男の子がお勘定に立つ

ジャンケンギアをフルに入れて迎え撃つ


男の子 vs  オジサン   オジサンの勝ち


3人で一斉に あ〜 と声を上げる

なぜかオジサンも一緒に声を上げる


すまぬ少年

ジャンケンとは非情なるアクションなのよん

精一杯の笑顔で買ってくれた駄菓子を渡し

当たったら持って来てね!と声を掛ける



でもこの瞬間は 

この3人にはわかるまい


その後

怒涛のやったー!メン連続当たりが続くことを・・・

10円、10円、50円・・・と駄菓子との交換権利を得ていく


それでいいんだすいすい

予期せぬことをみんなで楽しむんだ






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