すいすい小噺#102



相棒、散る


コロナ禍でのサントレすいすい

更に天気悪化が追い討ちをかけ
冷静に考えて予定を1日ずらす


開催した日は暖かく
ゆとりを持ってスタートすることができた
1ヶ月に1回だから楽しみにしてくれてる子も多い


とても良い雰囲気ですいすいがスタート


でも
こんな時ほど 何かが起こる・・・
ネガティブ思考では無いけど 
そんな予感がするのも
そこそこ続けている経験からか



少し陽がのびた
明らかに暗くなる時間帯が
少し後ろにずれている
毎週やっているとわかるもの
季節の移り変わりを週単位で感じる






ガシャーーーーーンッ!!!!!!




突如 
けたたましく何かが割れる音がした


わぁ〜・・・


少しこどもたちの声がする



ちょうど長蛇のお会計の真っ最中
でも 
そっちの方に目をやると
10円駄菓子の大きなガラス瓶が
地面に落ちてパッカリ割れている
中に入っていた駄菓子が少し散乱している

あ、、、
スタート時から愛用していた相棒・・・

瞬間だったが
頭ん中で様々な思いが駆け巡って
最初に出た言葉

「ごめんねーーーーー!!!」

お勘定のおともだちに
ちょっと待っててねと声をかけ
笑顔で 

「ごめんねーーー」 


と言いながら
ビンに近づいていき

スイカ割りの後になった大きな瓶を
ゆっくりと落ち着いて拾い集める


淡々と
淡々と


「みんな ケガしなかったー!?」

「ごめんねー ガラスだったもんねー」

「びっくりしたよねー!」


淡々と
淡々と


お菓子とガラスを分けて
1つしか持ってこなかったゴミ袋としてのビニール袋に
割れたガラスをそっと入れていく


笑顔でゆっくり 
言葉はとめない


淡々と
淡々と


「そのままで拾ったりしなくて良いからねー」

「びっくりしたよね〜 大丈夫だったー??」

「手伝わなくて良いからね〜 危ないからね〜」



言葉は絶やさず
犯人探しなんてどうでも良い
笑顔で散った相棒を袋に詰めていく


淡々と 
淡々と


ガラスを掴んでいるとき脳内にあったのは
いつかのファミレスで
客席近くでガラスを割って


「失礼しましたー」


と言って黙々と手際良く
割れたガラスを片付けていた
あのウエイトレスの姿だった



場の印象を変えることなく
楽しい雰囲気を消さないように
笑顔で
落ち着いて


瞬間的にそのイメージで
相棒を
サントレのこの場面で使用したことを
後追いのように反省する

男塚公園は土の上
サントレはアスファルトの上
落っこちて割れんの当たり前じゃないかい!


でも

でもね

そもそも屋外の駄菓子屋さんとして
おばあちゃんとかがやっている駄菓子屋さんとして
記憶をたどると・・・

入れ物はガラスの大瓶だったなぁー
プラスチックのソレとはどっか違うもんなぁー

なんて

結構かたくなにこの大瓶を選手起用していたオジサン・・・

こどもたちがこの瓶の中に手を入れて
10円のスクラッチ系を
嬉しそうに掴み取る所作が「好き」だった


質感の違い
雰囲気の違い


こだわった・・・


プラスチックの場合は
手を入れる縁(フチ)が鋭利過ぎて
何かのテープを巻かないと手が切れちゃう

ガラスは
少し面が取ってあってそういうことが無かったから


こだわった上での
今回の流れ


こだわりは いつしか
危険な方向に行く可能性があるという 
教訓


デカくて
かさばって
重たかったけど


2年半 
共にフィスティバルに参加し続けてくれた相棒


みんないつかチリと還る

相棒

キミもオジサンも同じだ

どうもありがとう
大活躍だったよ


帰りの夕焼けが
妙に沁み入ってきた

その後
何事も無かったかのように
盛り上がった2021年最初のサントレすいすい


みんな来てくれて どうもありがとう


きっと相棒も

粉々になって笑っていると思うよ











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