すいすい小噺#84


6月になり

ようやく少しずつ学校生活が動き始めた

でも
平日はオジサンもタイミング悪く
こどもたちも一日おきの登校だったり
午前中、午後の数時間だったり 
まだまだ久しぶりの時間を
少しずつ過ごしている

誰か来てくれるといーな〜くらいの気持ちで
晴れた日曜午後の1時間半

風が吹いていて気持ち良さそうだったので
一番初めにスタートした
新河岸川と九十川交点に向かう

娘と従姉妹から始まり
自転車で水辺に生き物を捕まえに来た4人家族
犬の散歩中のおばあさん
家庭菜園から帰ってきた地域のおじさんとおばさん
九十川の上流から歩いてきた若者4人組
犬の散歩中のおばさん
犬の散歩中のおばあさん
すいすいによく来てくれる女の子・・・

今日はそんな一人ひとりが
駄菓子や 
凍らせたゼリーや 
チューペットを買いに来てくれた

最後の女の子は
前回
5月の日曜午後
すいすいの時も会ってて

今日は
閉店間際に一人で来てくれた

ジャンケン大会をして
オジサンは全力を出して負ける

その子が好きなサワーペーパーも残ってて
喜んで1つ買ってくれた

最近の話
学校の話なんかを少しして別れる

5時のチャイムを聴きながら
静かに片付けしていると

さっきの女の子が
猛ダッシュで走って戻ってきた

当たり付きじゃないけど・・・何かあったかな・・・

その子は息を切らしながら言った


「次の予定の紙、くださいっ!」


新型コロナウイルスの影響で
3月のある日
すいすいを始めたタイミングで
外出ができなくなり
学校が休校になり

すいすいは
活動をしばらくしてはいけないと思った

すいすいは
こどもたちのたくさん集まる場所

どうしても
次の予定を組むことができなかった

存在が弊害を及ぼすことになると思っていた

身動きが取れないジレンマに
どれほど歯がゆかったことか

でも
命を守ることを第一優先に考えた結果だった


<次の予定は立てない>


『・・・ごめんね、今日は、、、用意してないんだ』


ちょっとその女の子は悲しそうな顔をした


『・・・でも、学校も始まったし・・・
 もしやるとしたら、木曜日放課後、男塚だね!』


ニコッと小さくうなずいたその子は
手を振り
走って帰って行った

存在が弊害になると思っていた時間
色々なことを振り返っていた時間

必要とされている喜びと
いつもの時間が少しずつ少しずつ
近づいてきている感覚

まだまだ
だけど

嬉しかった夕暮れ

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