すいすい小噺#34


こどもたちの事情


冬至近くの最近は、陽が暮れるのが早く、
すいすいの営業時間も約1時間です


次の予定が迫っているけど
どうしても駄菓子は買っておきたい、ということで、
オジサンの娘友達4名が
すいすい準備を始めるために外に出たら
自宅前で待っていた


すいすいを組み立てながら、

「時間無いと思うから、今、選んで良いよー」

というと、ワイワイキャワキャワ木箱から選んでいく

「ありがとーございまーす」

と自転車で急いで帰るおともだち1名

他の3名は今日の会場の公園前へ


***


いつもの公園では
みんな公園で遊んで待っていてくれる

いつも来てくださるママたちが3名
場所で立ち話をされていた

今日はクリスマス直近だったので
すいすいもクリスマス仕様
公園で遊んでいた子たちもみんな集まってくる

すいすいが始まり
ママたちはすいすい脇の雑貨コーナーへ

いつものように
10円、50円、100円、時に1000円札、5円玉、1円玉も飛び交う

みんなにとって段々いつもの光景になって来た
だから、ちょっと違うな、ってことには気がつきやすい
向こうから、高学年の男の子が歩いて来た
優しくて、男の子にも女の子にも友達がいる子
こんにちはー と声をかける
ゆっくりと頭を下げる
ゆっくりと駄菓子を見始めるが、

ん?

何か様子が変
カラダの動きがどことなく小さい

オジサンはいつも
必要以上に声をかけない
こどもたちからの声を聞く 
聞く方に重きを置いている

だから
男の子もポソポソと駄菓子を選ぶ
聞こえない小声を
笑顔で見つめていた

でも気になる
いつも口数はすごく多いわけでは無いけれど
それとなく明るく会話し合っていたその子とは
明らかに様子が違う

よく見ると
左手は使っていない
おでこの脇に絆創膏(バンソウコウ)が貼ってある
笑顔もどこか元気がない
片足は引きずっている様にも見える

明らかに何かがあったんだけど

「あれれ?ケガしたの?大丈夫ー?」

と、軽く声かけたが
男の子は聞こえなかった様に駄菓子を選んでいたので
そのことについて触れるのはやめた

いつもは100円以上買っていたのに
70円の駄菓子を買って
片手で財布を取り出し、駄菓子を受け取って
静かに帰っていく

同級生らしき女の子たちが

「・・・だいじょうぶ?」

と、声をかけていた
やっぱり何かあったんだ。。。
聞けば良かったかな?
いや、
必要以上に立ち入らなくて良かったかな?
なぜか、気になったが、
そのまま男の子はいつもの帰り道に消えていった


そして、闇が深くなり
17時を待たずにいつもの「じゃんけん大会」
勝ったり負けたりで最後の盛り上がり
今日はそれほど寒くなくて良かったね、
とみんなとバイバイして別れる






教えてもらった
さっきの高学年の男の子


先週の金曜日
交通事故で自動車にマトモにはねられ
ずっと学校は休んでいたのに
すいすいに来てくれたことがわかった

それを聞いて
先ほどの男の子の様子が浮かんで来て
何だか、泣けてきた

「生きていて良かった・・・」
「すいすい来ないで、学校行きなよ!」
「そうだったのか・・・」

いろんな思いが浮かんでくる
男の子がどんな思いで
すいすいに来たのか
オジサンには正直、わからない
もしかしたら彼自身、わからなかったかもしれない

でも
それはそれで良い

また
いつものように笑顔で会おうと思った
オジサンと男の子といつものみんなでまた会おう

メリークリスマス
クリスマすいすい



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