すいすい小噺#7


受け入れていく

初めて来てくれた男4女1の中学生グループ
ここを知っていた訳ではなく
偶然、通りがかったっぽいけど、駄菓子を買ったり、おしゃべりしたり、ゆっくりと過ごしていたけど、突然
ある男子と男子が「ケンカ」を始める
口喧嘩から発展して、片方の子がキレまくってて、もう片方の子は半分相手にしてなかったんだけど、
時折掴みかかったり、どついたりしていて、大声で喚き散らす

「ふざけんなよ、おめぇーら!」
「おめぇーらなんて仲間じゃねー、死ね!!」
「テメェーら、全員、死ね!死んじまえー!!」

すいすいの周りは異様な雰囲気に包まれる
リーダー格の長身ナヨナヨくんは

「まぁー、いつものことなんです・・・そこを管理しているのは僕なんですが・・・(苦笑)」

おいおい、
とても日常には見えないキレ具合、
でもリーダーは呆れ顔
じっと、様子を見守り、
万が一、こどもたちに何かをしたり、
すいすいに危害を加えそうだったら、に備える
すいすいの周りに集まった多くのこどもたちは、
ケンカムードと、発せられる汚ないコトバに、
みんなドキドキ、ドキドキしている

エスカレートしたその子は
ついに自分の履いていたつっかけを
怒号と共に
片方は、敵対する男子に
片方は、川に投げてしまった

「あーー、川に靴、落っこっちゃったよ!!」

こどもたちが口々に言ってくる
その後、
そのキレた子は、裸足で叫びながらそこを去り、
その後に、4人の子たちが距離をとりつつ、帰って行った

すいすいに笑声が帰ってくる
当たりラッシュも始まった
しばらくして、キレた子が
またすいすい近くに戻って来て、
ドカッと道端に座った
さっき程ではないが、少しの緊張感が漂う
こどもたちはどことなく意識している

「靴、どうするの? 流れて行っちゃうよ!」
「・・・取ってあげるの??」

何人かの子が、
ヒソヒソ井戸端会議の奥様のように
駄菓子を買いつつ言ってくる
時はすいすいは「当たりラッシュ」
当たりを喜ぶ子が、あっちにもこっちにも
時折、キレた子を気にかけながらその喜びに声を掛ける
その子は座り込んでブツブツと一人で何かを言っていた
こちらをジーっと見て、ボーっとしていた
立ち上がって少し川を見たり、投げ放った靴を探すと、また、同じ場所で座っていた
かなり時間が経って閉店時間が近くなって来て
スッと立ち上がると、静かに去って行った
その後、仲間の4人も一瞬、自転車で戻って来たが、
男子がいないのを見ると帰って行った

良いことばかりが起こる世界なんて無い
悪いことばかりもしかり
すいすいは
今日、新たに「クールダウンの場」となった、と思った

まぁー、男子くん、
おじさんに相談してくれ
いつでも靴を取ってあげるし
キミの心はそれなりに分かる気がする
僕も中学生の頃は葛藤の連続だったし
何なら、駄菓子でも食べながら、
ゆっくり、話をしようぜ

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